ガチャリ、と鍵の音がした。
あれ?と思った。
前に来たとき、妻ちゃんは──
下駄箱の中が気になって、靴底が直接つかないように、
山形に立てかけて置いていた。
その光景を、なんとなく覚えていた。
だから今回も、少しニヤニヤしながら待っていた。
「また、あの置き方するのかな」って。
でも妻ちゃんは、扉を開けて、靴を入れて、閉めた。
それだけだった。
「あれ?」と思った
ぼく
「……あれ?」
思わず聞いてしまった。
ぼく
「下駄箱の中、気にならないの?」
「靴の裏、浮かさなくていいの?」
「前来たとき、やってたじゃん?」
妻ちゃんは、少し首をかしげながら、
妻ちゃん
「え?」
「その時は、それが気になったんだねー」
「今日は大丈夫」
と、あっさり言った。
……へー、そーなん。
前はあんなに気にしていたのに、今日は気にならない。
その違いが、うまく飲み込めなかった。
前に来たとき、今回と何がちがったか
少しだけ、振り返ってみる。
前に来たのは、寒い時期だった。しかも、けっこう強い雨の日だった☔️
妻ちゃん
「お腹温めたいし、お風呂行きたい」
どこか、体を整えに来ているような感じだった。
一方で今回は、よく晴れた日☀️ 気温も上がってきて、夏に向かっていくような空気。
妻ちゃん
「大きいお風呂、気持ちよさそうだね」
と、少し軽やかに言っていた。
そういえばこれまで一緒に過ごしてきて、天気のいい日は調子がよさそうで、雨の日や気圧が下がる日は少ししんどそうに見えることが多い気がする。
もしかしたら、その日の体調や、女性特有のバイオリズムも、関係していたのかもしれない🌿
天気、気温、体の状態。いろんなものが重なって、その日の“感じ方”がつくられている。そしてその結果が、あの下駄箱の行動につながっていたのかもしれない。
繊細さって、決まったルールじゃない
ぼくはどこかで、「一度気にしてたなら、ずっと気になるはず」そう思っていた。
妻ちゃん
「その時は、それが気になっただけ」
と言った。それだけだった。
でもその一言で、ぼくの中の前提が、少しだけほどけた気がした。
“繊細さ”って、決まったルールじゃないのかもしれない。その日、そのときの状態に、ちゃんと反応しているだけ。
だから、「前は気にしてたのに、今日は気にしないんだね」じゃなくて、「今日は大丈夫な日なんだね」——そう思えると、少しだけ見え方がやわらいだ気がした。
「今日は大丈夫」で、十分だった
たぶんこれからも、同じ場所に行っても、同じ反応にはならない。
でもそれは、ブレているんじゃなくて、そのときの自分に、ちゃんと合っているだけなんだと思う。
「今日は大丈夫」——その一言で、十分だったのかもしれない。
すべての方に当てはまるわけではありませんが、繊細さんのそばにいる方の小さなヒントになれば嬉しいです。
妻ちゃんデータベース 📖
日々一緒に過ごす中で、「なんでだろう」と思うことがある。でもそのひとつひとつには、ちゃんと理由がある気がしている。
天気や体調、気分や空気。いろんなものが重なって、その日の“感じ方”がつくられている。
そんな小さな変化を、忘れないように、ここに残していこうと思う。ぼくなりの、妻ちゃんデータベース。
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